ボジョレーのワイナリー
ブルゴーニュブルゴーニュの南端ボジョレ地区は、広大である。南北55 km、東西約15 kmの、なだらかで、起伏にとんだ丘陵(平均標高300 m)は、畑でびっしりうまっていて、総面積は約20,000 haにもなる。地区内の96カ村に、ぶどう栽培農家、中小醸造元(7 ha以下が約4,000軒)が散在している。有力なドメーヌが少なく、協同組合の力が強かった。
ボジョレのワインは、第2次大戦前はリヨンの地酒にすぎなかった。戦後、そのフレッシュさと、痛飲できる愛すべきワインとしてパリで人気を呼び、やがて世界中で愛飲されるようになった。(生産量の50%は輸出)。ことに、イギリスを始めとするヨーロッパでは、ボジョレ・ヌーヴォーのファンは多い。
ワインとしてのボジョレは、2つの特質がある。ひとつは、栽培されているぶどうがガメ種で、これがこの地方特有の花尚岩系の土質とぴったり合って、世界の他の地方が真似のできないフレッシュ・アンド。フルーティなワインを生み出している。もうひとつは醸造法で、ぶどうを破砕しないで、いったん粒のまま発酵槽に入れ、底部にたまった果汁の発酵で生じる炭酸ガスを利用して粒の中で発酵させた上で圧搾する。(これを密封タンクの中で行なうのが、マセラシオン・カルボニック「炭酸ガス浸漬発酵法」である)。
ボジョレには、4つの統制呼称がある。単なるBeaujolaisと、BeaujolaisSupérieur(最低アルコール度が0.5%高いだけで、あまり意味がない)。それにBeaujolais Villagesと、Cru Beaujolaisである。このVillagesものは、はぼ北半分の39カ村から産出されるもの。単にAOC上の規制があるというだけでなく、実際に単なるBeaujolaisと比べて、はっきり品質の差がわかるものが多い。CruBeaujolaisとは、村名を表示できるいわばボジョレとしては特紋もの。従来は下記9銘柄だったが、1988年からRégniéが昇格して10になった。本書ではACボジョレー般についてここでメーカーを紹介し、次節でホンョレヴィラージュの生産者を書き、10のクリュ。ボジョレについて、それぞれ節をたてて生産者を紹介する。
ドメーヌ・アレクサンドル・ビュルゴー
数世代にわたり開発してきたぶどう畑を買い戻し、2013年にドメーヌを設立しました。現在はランティニエの花崗岩の土壌に12ヘクタールを所有。樹齢40年のぶどうから100年以上のぶどうの区画があります。 <私の仕事は土地と祖先が築いてきた伝統を尊敬することで実現します。醸造は100%伝統的な方法(セミ・カルボニック)を用い、非の打ち所の無い品質とぶどうの特性、そしてミレジムの特徴が反映されます。 ...
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